音のない世界 ~もう戻らないこの瞬間~
「「キャーー!」」
ちょっ、ちょっ!
ここは教室、教室。 二人とも静かにして。
「で、で!
前田くんはその後になんて言ったの?」
「いっくんは……
“風邪引かないようにちゃんと温まれよ”って言って、帰っていった」
「「………」」
ほら、二人とも固まっちゃった。
期待外れだったでしょ?
…… なんせ『好き』とは言われていないんだから。
「“好き”って言われてないじゃん」
だから最初から言っているでしょ?
それに今朝だって『告白みたい』ってごまかしたじゃん。
「なんで! どーしてなのっ!!」
なんでって言われても…… これが真実なんだから。 そんなに怒らないでよ、優ちゃん。
あたしだって…… いっくんの気持ちが分からないんだ。
どうして急にあんな事を言ったの?
どうして『――― 忘れろ』だなんて言うの?
ちょっ、ちょっ!
ここは教室、教室。 二人とも静かにして。
「で、で!
前田くんはその後になんて言ったの?」
「いっくんは……
“風邪引かないようにちゃんと温まれよ”って言って、帰っていった」
「「………」」
ほら、二人とも固まっちゃった。
期待外れだったでしょ?
…… なんせ『好き』とは言われていないんだから。
「“好き”って言われてないじゃん」
だから最初から言っているでしょ?
それに今朝だって『告白みたい』ってごまかしたじゃん。
「なんで! どーしてなのっ!!」
なんでって言われても…… これが真実なんだから。 そんなに怒らないでよ、優ちゃん。
あたしだって…… いっくんの気持ちが分からないんだ。
どうして急にあんな事を言ったの?
どうして『――― 忘れろ』だなんて言うの?