kiss me please─甘い口付けを─
「会えないのは、ヒック…
辛いよ。
だけど…、隼人と別れるのはもっと辛いの…っ」
そう言った瞬間、隼人に手を引かれて
あたしは隼人の腕の中に収まる。
「好き、好きだから」
「うん、俺も好き」
抱き締める力はどんどん強くなっていく。
「忘れないで」
「忘れないよ」
「…頑張ってね」
「うん」
「体に気をつけてね」
「うん」
「無理しないでね」
「うん」
「それから…─
…っ」
突然体が引き離されて、口に人差し指を立てられる。
「もう黙って?」
「…っ、」
そのまま、隼人の顔は近づく。
あたしはそれに合わせてゆっくりと目を閉じた。