夢を現実にする方法
私の心の傷は深かった。
ただ辛くて、顔すらもあげられなくて。

「大丈夫かぁ?」

和広がゴキブリを1匹潰したホウキを投げ捨てて近寄ってきた。
差しのべられた手を受け取って、ゆっくりと立ち上がる。
私は和広に連れられて保健室で少し休むことにした。
少ししてから泣きやんだけど、教室に帰るのが怖かった。

「……今日は、帰りましょうか」

保健の先生はそういった。
私は抵抗する事もなく、素直にこくりと頷いた。




家についた。
けれど、誰もいない。

「……邪魔者を消したいじゃ、ダメなのか……」

本当の願いではないと言う事なのだろうか。
パソコンを立ち上げて、そう思う。

じゃあ、私の一番の願いは何?

率直のほうがいいのだろうか……。

カチッ。カタカタ。

今の私の率直な願いは、いじめを終わらせることじゃない。



『恋を叶えたい』

カチッ
< 8 / 9 >

この作品をシェア

pagetop