無防備な君に恋をする


必死に俺の手を振り払おうと、ジタバタやってる足を押さえ、擦り剥いて血が滲む膝に消毒液をこれでもかというくらい吹きかける。

ちょっとしたイジメだ。


「いひゃいッッ!!」

「次暴れたら、自分で処置しろよ」

「先パイの意地悪~!!」

「言ってろ」


血を全て拭き取り、怪我の上から絆創膏を張り付ける。

それから絆創膏を張った部分をペシッと叩く。


「うっきゃぁ!!」

「ハイ、終わり。」

「うっぅ……最後の最後までヒドイですよぉ~」

「お前に言われたくないね」


立ち上がった俺を、真っ赤に泣き腫らした目で見上げる伊織。

お前は子供か。




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