無防備な君に恋をする


すかさず、伊織が追いかけてきた。

オイコラ、膝はいいのか、膝は。


「波留先パイ、帰らないんですかぁ?」

「ちょっと一眠り。誰かさんに叩き起こされたんで」

「あうっ!!」


グサリと心臓に矢が刺さったような声を出す伊織に、俺は肩越しにニヤリと笑ってみせる。


「そう言えば、ココの保健室、夜出るって噂。知ってる?」

「え゙っ」


途端、伊織の顔がみるみるウチに青くなっていく。


「そ、それ、本当ですか!?」

「ホント。実際、俺見たし」




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