妄想科学研究所【短編】
とにもかくにも、華をなだめないと晩ご飯が食べられない。

ドクターとヒロシは素早くアイコンタクトを交わし合い、華をなだめにかかった。

「いやー華さんモニタリングありがとうございます。これは試作機ですから使用者の生の意見が必要なんですよ」

「その通りだ。だがそれが感情にまかせた言葉であっては意味がない」

「だからですね、とりあえず晩ご飯食べて、落ち着いた所で、コーヒーでも飲みながら意見交換といきましょう」

「うーん、そう?まあそうね。まずはご飯にしましょうか」

二人の勢いに、つい押されて怒りを収める華。
しかし問題は解決していない。

夕食後、ローラーダッシュの知られざる弱点が次々と明らかになった。

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