妄想科学研究所【短編】

二号機

開発開始から4日目の昼過ぎ、とうとう二号機は完成した。

試作機より時間がかかったのは、構造やデザインを根底から見直したからだ。

試作機で発覚した弱点は全て排除改善された。

その上フォルムもスマートになった。
バッテリーを取り付けるのではなく、バッテリーそのものを外殻にしたからだ。

「フ、フフフ。フハハハハハハハハ!!パーフェクトだ!完璧だ!略してパーペキだぁ!」

「ええ!まさにパーペキです。まんまロボットの膝下って感じでかっこいいですし」

二人が完成品を前に自画自賛で称えあっていると…

フッ、フッ。

トスッ、トスッ。

二人の首筋に何かが刺さった。
慌てて引き抜き確認すると、それは以前開発した麻酔針だった。

そして吹き矢を手にした華が、物陰から満面の笑みを浮かべ現れた。

「おやすみなさい、かわいい人。アナタ達が寝てる間にアタシがテストしておいてアゲル」

麻酔の効果により薄れゆく意識の中ドクターは思った。

(何かのキャラクターの真似して酔ってるらしいけど、あんまり似てないな…)

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