妄想科学研究所【短編】
ドクターが目を覚ますと、もう夕方になっていた。

起き上がって周りを見渡す。自分はソファーに横になっていたらしい。

テーブルを挟んで反対のソファーでは華が静かにコーヒーを飲んでいる。

少し離れた部屋の隅の床の上にヒロシが転がっている。
(ナゼあんな所に?)

疑問を感じながらも華に向き直り、もっと気になっている事を聞く。

「で、どうだった?」

「二号機は最高だったわ。でも散々な一日だった」

おかしい…ならば華はもっと不機嫌に なっているハズ…

!!そうか!謎はスベテトケタ!

ドクターより体力のあるヒロシは先に目を覚まし、華に余計な一言を言いぶっ飛ばされたのだ。

だから華の怒りは収まっていて、ヒロシは壁際に転がっているのだ。

よく見れば壁にはヒビが入り、少々血が付いている。
壁に叩きつけられて崩れ落ちたらしい。

心の中でヒロシへ感謝と謝罪の合掌を送り、華に聞き直す。

「で、何があった?」

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