妄想科学研究所【短編】
華は普通に落ち着いている様に見えるが、ドクターは気を抜かなかった。

(ホラー映画でも油断したヤツからヤラレるからな)

「よし分かった。三号機を造る際には、それも考慮しよう」

解決策は何も浮かばないが、とりあえず安請け合いしておく。

そこへ、ホラー映画なら最初の犠牲者になりそうなヒロシが口を出した。

「これで今度こそ完璧ですね!いやパーペキですね!」

ドカッ、バキバキバキッ

「まだ第2、第3の落とし穴があるんじゃボケェー!」

華のバックドロップが炸裂し、ヒロシはテーブルを粉砕して床に突きたった。

(俺セーフ!これでしばらくは大丈夫だな)ドクターは、やや緊急を解いて華に先を促した。

「それで第2、第3ってのは何だい?」

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