妄想科学研究所【短編】

国道

時間はさかのぼり、ヒロシが床に突き刺さるより数時間前の事…


買い物を終えた華がデパートから出てきた。
買い物袋は下げていない。左右のバランスの事を考えて、デイパックをしょってきたのだ。

そのせいで、ますますアニメのロボットみたいになっている事に本人は気付いていない。

「うーん、ここまでは、とりあえずスーパーに行った時よりはマシね」

しかしまた空気イスかと思うと気が滅入る。

おまけに裏道はアスファルトの補修の仕方がザツで、道路がボコボコになっている所もあった。

「こーなったら、毒を喰らわば皿までよね!」

華はみずから怒りゲージを溜め、それを発散する時の爽快な気分に思いを馳せ、国道へ向かって滑り出した。


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