妄想科学研究所【短編】
国道の路肩ギリギリを身をかがめて滑る華の、僅か十数㎝横を車がバンバン追い越していく。
乗用車の助手席の女性がビックリした顔で通り過ぎて行った。
大型トラックのタイヤの一つ一つは、身をかがめる華よりも大きい。
身をかがめる華の姿は、ただでさえ車から見つけにくいのにすぐに死角に入ってしまう。
みんなぶつかる直前で華に気付き、慌ててよけていく。
トラックのタイヤに飲み込まれて肉片と化す自分を想像して、華の恐怖はピークに達した。
「い~や~!こわい~!もう帰る~!お母~さ~ん!」
パニックになりかかった華だったが、最後に残った僅かな理性が、次が曲がる交差点である事を思い出させた。
乗用車の助手席の女性がビックリした顔で通り過ぎて行った。
大型トラックのタイヤの一つ一つは、身をかがめる華よりも大きい。
身をかがめる華の姿は、ただでさえ車から見つけにくいのにすぐに死角に入ってしまう。
みんなぶつかる直前で華に気付き、慌ててよけていく。
トラックのタイヤに飲み込まれて肉片と化す自分を想像して、華の恐怖はピークに達した。
「い~や~!こわい~!もう帰る~!お母~さ~ん!」
パニックになりかかった華だったが、最後に残った僅かな理性が、次が曲がる交差点である事を思い出させた。