妄想科学研究所【短編】
華はこれまで性能や機能にしか興味がなかった。それが交通法に違反？そんな事は考えもしなかった。

「あの参考までに交通法に、どう違反してるんでしょう？」

「僕も詳しい訳ではないですが、とりあえずソレには保安部品が一つも付いてないですよね。

ああ保安部品って言うのはヘッドライトやバックミラーやウインカー等々の、全ての車に付けるのを義務付けられている部品です」

この警察官に悪気はないのだろうが、だんだん腹が立ってきた。

このブーツほどしかない物のどこにそれらを付けられると思うの？無茶言わないでよ…。

「お宅はこの近くですよね。この先なら交通量も少ないですから最後にしてくれるなら、ソレで帰っていいですよ」

「開発者の方によろしくお伝えください。では失礼します」

警察官達はパトカーに乗り込み帰っていった。

華は最後まで二人を見分ける事ができなかった。

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