妄想科学研究所【短編】

華さんが僕の元へ女の子走りで駆けてくる。

僕はこういう時の為の取って置きの２枚目顔（自称）を浮かべ、両手を広げて華さんを迎える。

こんな可愛いらしい華さんを見るのは初めてな気がする。

華さんの背景はピンクを基調としたカラフルな色で、キラキラと輝いている。

何故か動きがスローモーションに見え、たかが居間のソコからココなのに、なかなかたどり着かない。

ああ、とうとう僕の腕の中へ飛び込んで来る…

と思った時、華の体が沈み込んだ。

（つまづいちゃった？ころんじゃう？）
などとヒロシが心配しかけた刹那

ズドン！

ヒロシは心臓の真上に強い衝撃を受け、一瞬意識が飛びそうになるが、何とかこらえた。

華さんは走って来た勢いそのままに肩からぶつかって来た。

ショルダータックルだ。
ぶちかましってゆーヤツを喰らったのだ。

壁に叩きつけられ、後頭部を壁にぶつけ「ピシシッ」っと壁にヒビが入る音を背中で聞きながら、ヒロシは気を失いその場に崩れ落ちた。

華はスッキリした顔で、お盆をテーブルへ移しコーヒーを飲み始めた。

やがてドクターが目を覚ます…