妄想科学研究所【短編】
「あ、ヒロシ君、今日は酷い事しちゃったからお詫びに車で送っていくわ」

ヒロシは研究所から3キロ程離れた所に親と住んでいて、自転車通勤をしている。

もっとも研究所に泊まり込みが多いので、半居候のようになっているが…

「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えまして…」

自転車を軽トラックに積み込み、華の運転で帰って行くのをドクターは見送った。

トラックが交差点を曲がり見えなくなった直後…

キキキィィィーー!!

「ぎゃぁぁぁー!!!」

けたたましいブレーキ音とヒロシの悲鳴が住宅街に響き渡ったが、ドクターは知らんぷりして荒れたままの居間へ戻った。
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