妄想科学研究所【短編】
設計図に取り掛かるはずのドクターがまたしても顔を上げた。

「ローラーダッシュの操作ってどうやってるんだろう。ほら、アクセルとかブレーキとかさ」

もう何も言わずアニメを思い出して見るヒロシ。
アニメの登場人物達はロボットの操縦席にいる。しかし人間には操縦席はない。

「うーん、それはかなりの盲点でしたね…
とりあえずは試作機ですしコントローラーを別に造りましょう。

なあに、方向転換は体重移動でイケますしバックは要りません。アクセルとブレーキだけですから片手だけで操作できる小さな物になるでしょう」

「仕方ない、とりあえずそうするか。
よし、設計図を仕上げてしまおう。君は華さんに今日の晩ご飯のメニューを聞いてきてくれ」

「りょーかーい」


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