妄想科学研究所【短編】
一拍おいて華もドクターに指を突きつけて叫び返した。

「どれだぁ!!」

突きつけあった指先をピトッとくっつけたりして遊んでいる。

「つまりだな、えーと、なんだ?どれだっけ?」

「落ち着いて下さいドクター。で、何を思いついたんですか?」

「おおそれだっけ。モビルブーツのアイデアが浮かんだよ!」

それを聞いた二人は俄然興奮してドクターへ詰め寄った。

華はドクターの胸ぐらに掴み掛からんばかりだ。

「何を?どーやって?どーゆー原理で?ヤル気なくしたんじゃなかったの?」

ドクターは先ほどの混乱が無かったかのように落ち着き払って、かつもったいぶって語りだす。

「つまりだな、人には出来ない事を機械にやってもらう。逆に機械にやらせられない事は人がヤレばいいんだよ!」
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