妄想科学研究所【短編】
ドクターとヒロシが完全に眠り、床に伸びてから部屋に華が入って来た。

顔全体を覆う黒い防毒マスクをし、なぜか黒いヘルメットまでかぶっているのでまるでダースベイダーみたいだ。

「ウフフ…ゆっくりお眠りなさい(コーホー)」

おまけに床まで届く黒のロングコートをスッポリ羽織っているので益々似ている。

静かに進みモビルブーツ試作機の前に立ち、しげしげと眺める。

ドクターの最初のアイデアではパワードスーツの下半身の予定だったが、出来上がってみたら人の胸から下といった感じだった。

全高およそ1.5メートル。スピードスケートの選手のように発達した筋肉を持つ下半身の上に、やや口広の胸までの上半身がありその上には透明なハッチが載っている。

そこだけ見たら戦闘機のコックピットのようだ。

いや直立した全体を横から見たらサーティワンアイスクリームみたいだ。
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