妄想科学研究所【短編】
そのまま戦闘機が空母から発進する時のように、カタパルト射出…

する事も可能だったが今回はヤメておいて歩きだす。

異様な光景だった。

閑静な住宅街の道路を、はた目にはロボットにしか見えない物が悠然と歩いている。

どこかからテレビの音や犬の鳴き声が聞こえる中に重たい足音が響く。

足音に驚いて玄関から出てきたオクサマが、目の前を通り過ぎてゆく見た事もない物に絶句した。

それをまさか近所の主婦が操縦しているとは夢にも思わない。

操縦席のハッチは反射率の高い素材でできていて、今は鏡のように景色を映していたからだ。

その絶句するオクサマが見入っているとそれは起こった。
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