妄想科学研究所【短編】
「それよりもさっきスゴかったでしょ?音と振動!
あれね、翔太君がロボットに襲われたんだって!」

翔太君とはさっき危うく蹴り飛ばしかけた自転車の少年だ。

知ってる。いや私は襲うつもりはちっともなかったけどね?

とか言いたい気持ちをぐっと抑え、わざとらしいほど顔をしかめて

「ロボットォ~?何言ってんの。で、本当は何があったの?」

「本当だってば!高柳さんトコの奥さんも見たんだって!」

それも知ってる。

「襲われてるトコを?」

「そう!」

歩いてるトコだけでしょ!

もー!誰かに話をデカくされたぁー!
< 67 / 85 >

この作品をシェア

pagetop