妄想科学研究所【短編】
とび起きたヒロシは現在の自分の状態が分からなくて混乱した。

まずはパタパタ自分の体や顔を叩いて自分がマグロではなく人間である事を確認。次に…

「あらヒロシ君起きたのね。起きたんなら自分で歩いてよ」

振り返るとすぐそばに華が立っていた。

思わず出そうになる悲鳴をムリヤリ飲み込み状況を観察してみた。

華は金属製の手すりのような物につかまっていて、その手すりは下に伸びていた。

それを目で追うと床の少し上で長方形でプラスチック製の板に繋がっている。

プラスチック製の板の下には車輪があるようだ。

つまりヒロシは台車でマグロのように運搬されている途中だった。

だからあんな夢を…

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