妄想科学研究所【短編】
あの日、会議室で華が言った『目的』とはモビルブーツで特許をとろうという事だった。

技術としては多分これはこのままでイケる。

特許さえ取ってしまえば後は製作するのは自分達と契約したメーカーになるはず。

そうなればメーカーが勝手に安全基準を設定したり法改正の為に世論を煽ったりと企業努力をするだろう。

すぐにはお金にはならないかも知れない。

自分達はただ座って世の中が変わっていくのを眺めているだけでいい。

あの日、華はそこまで考えていた。
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