妄想科学研究所【短編】
そしてすぐに有能な弁理士を雇い特許取得へ向けて動き出した。

弁理士に言われるがままにせっせと動きまわり、気がつけばドクターは特許を取得していた。

するとどこから話を聞きつけたのか国内の大手バイクメーカーがオファーをかけてきて、アッサリ契約が決まった。

2年後、そのメーカーがモビルブーツをモーターショーに出してきて世界的に話題になる。

それからはもうめちゃくちゃだった。

あれよあれよと言う間に契約する相手が増え、世界中のメーカーが技術競争でしのぎを削り合う。

ドクターが製作した試作機の面影はすでにないが、それでもそれはモビルブーツなのだった。
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