花火
ふっと涼しい風があたしと森町の間を通り抜けた。


森町は手を出してあたしの手を軽く握った。


「夏明けたばっかなのにな、秋ぽい風が吹いたね」


うん…。



あたしと森町はそのまま何処へともなく歩き始めた。



なんかわかんないけど…。



嬉しい。




もしもあたし何も言えてなかったら、こんな風に森町と歩くことなんてなかったかもしれない。



だからありがとう。
蒼井に言いたい。
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