リーフのつばさにラヴレター
名前があったわけでもないが、絵の具の匂いがほんのり付いていたのと、字体でわかった。


他の人がみたら気持ち悪かったかもしれない。


なんせ、小さな紙を見つめニヤニヤし、しかも大事そうにポケットに入れたのだから。
もちろん、その紙は大切に定期入れの内側にしまってある。

好きな人からの初めてのデートの誘い。誰だって舞い上がるだろ?



その帰り道、どうやって帰路に着いたか全く覚えていない。


ただ、明日何を着て行こうか、先生は本当に来るだろうか、寝坊しないようにしようなどと、自分への明日の状況だけを考えていた。





……あぁ、今日も眠れない。





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