リーフのつばさにラヴレター
「はい。 でも今日はデートですから野暮ですよ」




はぁ?!と、びっくりしてぐるんと先生をすぐ見た。



先生はニコニコしている。
でもいつもの先生じゃない。
先生はこんなに直ぐに笑わないし、まず瞳がどうしとも泣いているようにみえる。

涙を流しているわけじゃないけれど、なぜかそんな気がする。




俺は、その記帳ノートに自分の名前だけ書いた。先生は断固してペンを持たなかったが、最後に俺の名前の下に小さく、花の絵を描き加えた。


そしてここに来る前、立ち寄った花屋で買ったセントポ-リアの鉢をおばあちゃんに渡した。




おばあちゃんはさっきと同様にっこりとしたが哀しそうだった。




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