リーフのつばさにラヴレター
その時、先生はこの人を好きになるんだろうと、なんとなく思っていたらしい。




暖かい感じのぬるま湯に浸されて、それでも強い樹木の一本筋が通っている揺るぎない人だそうだ。




そう言った先生は、嬉しそうだけど、哀しそうにも見えた。





先生がこんなにも自分のことを言ってくれたことも嬉しかったが、花傘さんにも嫉妬した。

なんで置いていってしまったんだろう。

帰るつもりでいても結局、先生を哀しませている。
寂しい想いをさせている。

じゃなくても、俺がこんな想いもしない。




切ない……ただ切ないよ。

年の差さえ臆病になるのに、相手の心がもう違うところにあることさえも、もどかしいのに……花傘さん。




あなたはなぜいないのです。






応えてほしい。





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