リーフのつばさにラヴレター
意外に柔らかい返しをされ、少し拍子抜けで電話を切った。



さて、どうしようかぁ。



チラッと河野をみたら心配そうにこちらをみている。

一応小さい声でしゃべっていたものの彼女にしたら失礼なことを言っていたのかもしれない。


一つ咳ばらいをして、





「……じゃあ、どこに行く?」





「!?……えっ?」





「どこかに行きたいところとかある?」





「いいの? なんだか橋田くん達とケンカにならないの? 私、迷惑じゃない?」





「なんで、河野が迷惑なの? 橋田達には怒ってないけど、あきれてる」





笑いながら言ったら彼女はやっとニッコリと優しく笑った。





「とりあえず、行きたいところはないけど、少し歩くのはどうだろう?」





「……ふっ、いいよ」





こちらも、拍子抜けだった。



学校にいた時みたいな感じではなくかなり控えめで、しかもすごく気を使っていてビクビクしているのがわかる。まだ人間なれしていない子犬のように。








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