リーフのつばさにラヴレター
「私もさ、絵を描いたり、写真撮ったりするの好きだし、旅とかしたかったけど、まずやっぱり貯蓄ないと何もできないし、ちょうど教員免許取れそうだったから取って、うまい具合にここ(学校)空いてさ。 入って三年目になったね。 こんなに続くとは思わなかったけどね。 まず、教えるの合ってないみたいだし、それにどっちかって言うと、生徒でいたいかなぁ」




「えー! でも慕ってる生徒とかいるでしょ?」





「先生に見られてないよ。 じゃなければ文化祭であの格好はさせられないはず」





と、横目でチラリと、俺をみた。






「……確かに」






学生服を着せたのは俺らのクラスだった。


先生はわざとプルプルしながら天高くげんこつをあげている。が、振り落とされないこともわかっている。






「い゛っくしゅんっ!」





「いきなりね? 大丈夫?」





俺は左手の甲で鼻をすすりながら、






「……みません。 大丈夫です」





「この間、ここで寝たからじゃない?」





「大丈夫っすよ」





「……そう?」





ポケットをゴソゴソ探し、のど飴をひとつコロンと手のひらにくれてから先生は先に昼休みを後にした。





確かに最近頭が痛くなるようなことばかりある。
……まぁ大丈夫だろ。 この飴食ってのりやさ。




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