リーフのつばさにラヴレター
午後の時間割はもんもんとして授業内容はさっぱり入らなかった。



やっぱり、言うべきだろうか……治りましたって……言いずれぇし、でも心配かけたし、でも……あーもう!これだから草食系男子なんだよ!



こんなことを授業が終わっても考え、帰るに帰れず、頭の中で駆け巡りながら廊下を歩いていたら、いつの間にか俺は、美術室の近くを歩いていた。




大体、先生がいるかどうかなんてわからないけれど、思い直し慌ててそこから逃げようとした。





「倉本くん?」





と、後ろから聞き慣れた心地酔い声にビクンッと内蔵全部が跳ね上がる。





俺はゆっくり振り向きながら、






「あっ……えっと……どうも」






と、左手で首後ろ辺りをさすりながらいった。






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