リーフのつばさにラヴレター
先生が口を開きかけたその時すぐ近くの階段から人が駆け登ってくる音がした。



俺はなぜかまた隠れないといけない気になり、挙動不審な動きで左右に細かく動いていると、それを察知した先生は俺の腕を勢いよく掴んで美術準備室に急いで飛び込んだ。






一つの足音は女子生徒であろうか、軽い足取りと鞄に付けているキーホルダーがカチャカチャとリズムよく鳴らし、準備室の前を通り過ぎていった。














…………気付いたら俺がドアを背にし、先生の顔が右肩に息がかかるほど近くにいて、先生の左手が俺の右手の中にあった。



ちょうど抱き合いそうな形で寄り添って立っていた。



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