リーフのつばさにラヴレター
……ここで聞いたら駄目だ。

なくなる。

すべてがなくなる。


でも後ろから抱きしめたい……だめだ……





必死で口と心臓を頭で抑えながら、落ち込んでいると、






「どうしたかなって」





「へぇっ?」






まだそのままこっちを向かない先生は次は隠し持っているマグカップを二つ出し、煎れる用意をしている。


先生は、俺の返しには応えなかった。






「……あそこの……ガレージのおばあちゃんが前に風邪をこじらせて危なかった時があって……すごく怖かったの。 元気だった人が突然いなくなるような気持ちはもう味わいたくない。 だから……」






……なにこれ。




ものすごくめちゃくちゃ抱きしめたい。


足が先生に一歩向きかけた時、





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