リーフのつばさにラヴレター
「だから、人との繋がりみたいなのは今は、もうごめんなの。 新しい大切なものが増える度にこんな思いをするなら一人でいたほうがまし」





………………







あぁそうか。


だから先生は、生徒にも先生方にも、こんなことを話してくれる俺にも、どこか壁をつくっていたんだ。


時々、柔らかい材質になって自ら手や足、時には顔をみせてくれていたけど、そっちに手を差し出して引っ張ってくれることはなかった。

むしろ、花傘さんの話しをした俺にいたっては、境界線の糸をピンと張られたような気がした。



もうあの人以外、好きにはならないと……。






「はい」





先生はいつの間にか、クルッと向き直り、コーヒーが入ったマグカップを差し出しながら椅子がある場所を差し出した。








先生の顔をみたら、もういつもの先生だった。







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