リーフのつばさにラヴレター
「ども」





……わかっていたけど、わかっていなかった。


コーヒーを一口飲んだら、胸がキュッとなり一言が思い浮かんだ。



『無理なんだよ』と。




俺はありったけの嘘の気持ちで喋った。





「あっ! 薬とのど飴ありがとうございました」




「あぁ うん」





「……」



「……」









途中途中、沈黙が流れながらも、気まずくならないように話していたと思う。


その後のことはあんまり憶えていない。


別にまた風邪をぶり返したからではなく、胸の中に入らなく、ただ口が勝手に動いていた。





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