リーフのつばさにラヴレター
「……ご」





ごめんなと、また謝ろうとしたら突然、勢いよく両手で口をふさがれ、俺の謝りの言葉を遮った(さえぎった)。





「なんども言ってるじゃない! 謝らないで」





コクンと頭を縦にふると河野の手が口から離れる。

唇だけじゃなく、手もふにふにしている。




彼女と付き合ったら、好きになったら、どんなにいいか。どんなに楽しいか……でもやっぱり鳴り止まないこの気持ちには勝てない。





「ありがとう」





河野はフッと笑って握手を求めた。

俺もそれに応えようとおずおずと手を差し出したら、河野はその手をすり抜けて、俺の腰辺りに右手を置き、左手で前シャツを握りしめてきた。






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