リーフのつばさにラヴレター
「何が見える?」





校舎を背にしていた俺はそのまま頭を思いっきり上にあげ、反対方向に頭を反らした。




よくみえなかった。



太陽を背にして顔のシルエットが黒く、俺から逆の顔が窓から出ている。



手カメラを直ぐさま引っ込め、目を細めジッ-とみていたら、






「何が見えた? 倉本くん」




……太陽を背中にしょった先生だった。





「あぁ……冬支度をしている空と木々とそれを通りぬけて行く飛行機を」





少し大きめな声で三階にいる先生に言った。






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