リーフのつばさにラヴレター
なんでわかったんだろうと疑問に思っていたら、





「フインキがなんとなくカメラ慣れしてたから」





もう、違うとは言えなかった。





「はい。 やり始めました。 面白いですね」




「……そうね」





先生はいつも通り前にそびえ立つ木々を見はじめていた。






風に靡く(なびく)髪と、ここから見えそうな長いまつ毛が伏せるたび、瞼(まぶた)の裏側には俺の知らない先生がいるんだろうと、思った。








俺は堪らなくなった。








いつの間にか、立ち上がり先生のいる場所に駆け出していた。






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