リーフのつばさにラヴレター
その音に気づき河野が顔を上げたと同時に首にネクタイを巻いてやった。

河野の顔が、えっ?!として、





「はいよ」





と、ボタンを持っている手を前に出したら、おずおずと河野が右手を出したので、コロンっと手のひらに置いた。





「……りがと」




「泣くなよ。 泣かせるためにあげたんじゃねぇんだから」




「……うん、でも嬉しいんだもん」




「……良かったな! じゃあ俺はジャージ取りにきたんだよ。 また後でな!」





俺は頭をコクンと一回縦にふる河野の姿をみて、自分まで切なくなった。




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