リーフのつばさにラヴレター
さっきの三人組の女子の所まで戻ろうとすると、待ち伏せしてたかねように、橋田が廊下の壁にもたれ掛かるように立っていた。





「もったいない」




「……俺もそう思う」




「ったくよう! なんで言わねぇんだよ、さっさと!」




「新ばっか、話して。 俺が友里ちゃん引き合わせたのに」




「……」




「かなり好きだったんだぜ! 俺すら憧れるよ。 あんな風に好かれたい」





!……モテ男の橋田にこんなことを想わせる俺は、すごいかと一瞬思ったが




「まぁあ、これくらいになったら認めてやるぜ!」





と、バッと制服を見せびらかせながら橋田は言った。

ネクタイやワイシャツのボタンまでもなく、胸もとがチラチラ見えて気持ち悪かった。





「はいはい、よかったね。 俺はこれからなくなるよー」





と、チラッとジャージを見せながら橋田の前を走り通り過ぎていった。


『待てよ!』いう言葉と、バタバタ走る足音が廊下に響き渡った。




俺は橋田が河野に羨ましさを感じたんだとそこで思った。




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