リーフのつばさにラヴレター
あれはそのおさんが先生でいる為の言葉だったけれど、先生としてのけじめと俺に対しての優しさだったのかもしれない。




もう卒業してしまったので、ボタンなかったり、制服のブレザーすらない卒業生がちらほらいる中、俺はぼーっと、思いにふけっていた。


ヮッーと歓声が上がるのをびっくりし、我に返ったら先生がもう目のまえに来ていた。

スッと何人かの花束やプレゼントの中に手紙を入れてしまった。

びっくりして何も言えず、橋田や他の卒業生、在校生達は必死に話し掛けたり、またね〜とまた明日会えるのではないかと思うくらい簡単に言う人もいた。




俺、何してんだろ……




卒業してまでも言えないなんてよ。




体育館からすぐのところからタクシーがきていた。

先生はそのままタクシーに乗って去ってしまう。


いつもの送別会よりやや多い見送りに戸惑いながらも、『ありがとうございました』と先生達や俺達にも深々と頭を下げた。



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