リーフのつばさにラヴレター

《位置についてヨーイっ》


"パーンッ"


俺が力説している間に、第一走者目の先生達が走りだしていた。


斜め前でグラウンドに対して直ぐに座っている二年生の誰かが、




「そのちゃんリレー出るんだね。 一言も言ってくれなかったから知らなかったぁ」



へぇ、先生あんまり言ってなかったんだな。



「私、知ってたよ。 うちの担任の代わりなんだって」


「足速いのかなぁ」


「さぁ? そこまでは知らなーい」




やっぱりそこは知らないのかっ。


と、そうこうしてるうちに第四走者目に入ろうとしていた。


四方八方からクラスを応援する声に混じって、そのちゃ〜ん頑張って!とか、太い声で頑張れと言う笑いの混じる声も聞こえた。


その声が聞こえているのか、いないのか、複雑な笑みを溢すのはさっき言っていた緊張のせいだろう。

屋上に行っていたのは緊張を解かす為でもあったかもしれない。



すっかり忘れていたみたいだが……





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