リーフのつばさにラヴレター

先生がスタートに立つ。


二年の他の副担任が頑張って4位から3位に上がって回って来ていた。


先生は慣れた感じで徐々に前に走り出して右手を後ろに出し、待っている。



パシッと音が聞こえた気がした。



バトンが渡されたと同時にスタートした先生。直ぐに表情が変わり、物凄い蹴りでぐんぐん進む。


先生は二年生の担任の代わりで一周しなくてはならない。
その為、生徒の前を通り過ぎる。



綺麗なホームで風を切るその姿は、背中に羽根が生えているかの様に、でもゆっくりと通りすぎていったのかと思った。



俺だけがスローモーションを味わっていたのか。




周りは、頑張れー!!と応援が遠くで聞こえた気がした。





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