゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.




「由岐」

「?」

「さっき将也が、幸輔って子に会って由岐と電話が繋がらないって言ってたんだって。将也がすんげぇ心配したから電話かけてきた」

「………。」


「その幸輔って子には言ってないの?」

「今度言うって約束した」

「………そっか。…………将也に連絡しろ」



そぅ言ってボロボロの黒い携帯をあたしに渡した。

これはお兄ちゃんが高校入学したときに買ってもらった携帯。
だからもぅ使うのは5年かな?
そんなお兄ちゃんが大好きだ。


あたしはお兄ちゃんから携帯を借りて将くんに電話した。



『瞬?』

「将くん…?」

『由岐っ!?大丈夫!!??何も無い!?』

「…………ぅん。ごめんね?心配かけて……」



両親がこの世から消えた日。
そんな悲しい悲しい日に、こんな事はしてはいけなかった。



『由岐が大丈夫なら大丈夫だよ』

「………ありがと…」

『まだ言ってなかったんだね』

「うん。今度…言うの」

『そっか。大丈夫。アイツは由岐を泣かさないから』

「………うンっ…」

『俺はそぅ思うし、由岐が決めたんだ。言ってる途中に泣きそうになるかもしれないけど頑張って』

「……ぅ、んっ…………」

『ははっだからって今泣くなよ(笑)』

「ごめッ……」





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