゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.
「由岐?」
「え?」
「どうしたの?」
訊くときに絶対に少し瞳が大きくなる幸輔。
癖なんだろうな…。
そんな小さな癖を知っているあたしは、かなり幸輔のことが好きなんだって思った。
「何でも無いよ」
幸輔に不審に思われたくないから、あたしは精一杯作った笑顔を見せた。
「あっ家着いたね。」
幸輔は西日に照らされて本当に綺麗。
サラサラで少し茶色い幸輔の髪が、いつもより綺麗に見えた。
優しい目が、いつもより優しく見えた。
だから離れたくないの。
幸輔は本当に優しいから。
“優しそう”じゃないの。
“優しい”の―…。
顔に皺を作って笑う幸輔。
「どうしたの?」
「由岐が俺のこと見てたからなんだか恥かしくなったから笑ってた」
「何それっ」
「由岐が俺のこと見るから悪いの」
って言って少し頬を膨らませて、それから顔中を皺くちゃにして笑う幸輔。
「…………………じゃぁね」
「うん!!」
何だか声が震えた。
泣き出しそうで、そんな姿見られたら幸輔は訊いてくるから、だからあたしは玄関に駆け込んだ。