゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.




夏休み。
あたしはお兄ちゃんとまったりしていた。
お兄ちゃんは久しぶりのお休みだったらしく、どこかに行こうって言っていたけど、あたしは断固拒否をした。
お兄ちゃんに無駄な力は使って欲しくない。
今日ばかりはめいいっぱい休んでほしいよ。



「あぁ~~暇;;」

「お兄ちゃんさっきからそればっかり;;」

「だってそぅだろ??今まで学校とバイトに縛られてたのに、いきなり『何してもいいよ』って言われたらそりゃ困るって」


お兄ちゃんは何か頼まれるほうが好きらしい。


「何かテレビしてねぇのかなぁ」

適当にテレビのチャンネルを替えていたら高校野球の中継をしていた。
でも、それは試合ではなくて、たぶん順番を決めてる抽選をしているのだと思う。



「あぁそーいえばもぅ甲子園か…」

お兄ちゃんはプロより高校野球派で、去年も将くんを連れてきて地元の高校を応援していて凄く盛り上がっていた。
将くんも高校時代に野球をしていたらしい。
たしかポジションは――…




「あれ?お兄ちゃん、将くんって野球してたよね?ポジションどこだったったけ?」

「将也?アイツはショート」

「あぁショートか…」

「将也は上手かったなぁ高校ではやらないって言ってて勿体無かったな…」




昔の事を思い出すのを止めていたあたしには、
今のお兄ちゃんの姿は憧れる。

お兄ちゃんと、将くんの関係も、信頼も、

羨ましい。





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