゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.




あたしがお母さんとお父さんを殺したあの日から、あたしの中は黒いものがぐるぐるしている。





「由岐!!だからアレはただの事故だって!!」

「でもお父さんとお母さんは死んだんだよ!?あたしのせいでっ」

「だから由岐だけのせいじゃないって!!」

ダンッとドアを叩く音が、背中から聞えた。

今のあたしには、その音は『怖い』ではなく『ビックリした』だった。
つまり…それほどあたしの決意は固かった。





それからすぐに、将くんがあたしの部屋の前に来た。
それは足音でわかる。


「由岐…」


将くんの優しい声が、幸輔とかぶった。


「由岐のせいじゃないよ。俺はそのときいなかったけど、瞬の話を聞いててそぅ思った。由岐は見てなかったんだろ?だから俺は瞬を信じるよ。」

そして、最後に
「出ておいで」
って優しく言った。






カチャ…



あたしは将くんのその優しい声に、ドアを開けた。

すると将くんは優しく笑ってあたしの頭を撫でた。
さっきまで哀しくて顔をしかめていたのに、撫でられて嬉しくて、安心して少しだけ顔をニヤけさせた。


お兄ちゃんをチラッと見ると、ブスッと不機嫌そうな顔をしていた。




ねぇお兄ちゃん。

あたしは本当に嫌なんだ。

あのこきのことを思い出したくないって思う事は、


逃げてるのかな?




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