゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.
「ぁ……。」
あたしを呼んだのはお兄ちゃんだった。
「将也見た!?」
「えっ見てないけど…?」
「あっそっか!!」
って言って額から流れる汗を拭き取るお兄ちゃん。
肩は大きく上下に揺れていて、かなりの時間と距離を走ってきたらしい。
「将くんどうしたの?」
「あっいやこっちの話!!ってか―…」
「?」
「何泣いてんの?」
って言って優しく目尻に触れて、あたしの涙を拭き取る。
「なっ別になんでもない…。」
「………。」
「由岐。秘密はもぅ無しにしょぅ……?」
長身のお兄ちゃんが、あたしの顔を覗き込むように腰を曲げて、優しく囁くように言った。
あたしはそんな優しい声に言いそうになってしまった。
「…………ぁ……」
「?」
お兄ちゃんの肩越しに、幸輔が見えた。
幸輔は、悲しそうな顔をしてこっちを見ていて、苦しそうな顔をしていた。
あたしはそんな幸輔に向って走り出した。
「何でもないよっ!!」
あたしはお兄ちゃんにそぅ言って幸輔の下に走った。
幸輔のところに行くと、沈黙が続いた。
「………ごめん」
そぅ先に言ったのは幸輔だった。
何が「ごめん」なの?
一緒に行けなくて?
すぐに返事しなかったから?
言葉にしないと分からないよ。
あたしは最近その大切さがわかったんだ。