゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.




「由岐ちゃん、荷物どうしたらいい?」

突然2階から旦那の声がした。

「あっ…」

「いいよ。行ってあげて?」

「はいっ」


あたしは笑って言った。
将也と同じように言ったらこの子は傷つくから。
由岐ちゃんは手を洗って2階へ走って行った。



由岐ちゃんはしばらくして帰ってきた。
たぶん、自分の事は自分でしたいんだろう。
それは迷惑がかかるから。
とかそんな物じゃない。
哀しいからだ。
この子達には、「めんどくさいから手伝ってもらおう」なんて考えてない。
だからあたしも、感傷に浸らせてあげようと思ってそっとした。



食器を洗うと、後はご飯を食べて自由にさせた。
部屋の片付けをしないといけないから。



それにいろんな想いも込み上げてくるでしょ。
あたしはそれから将也と買い物に行った。
旦那もついでに連れてって荷物持ちにでも利用しよう。
買い物は、晩ご飯と、欲しかった雑誌。
それと将也の服と、旦那の靴下。
それと籠を買った。



「今日の晩ご飯何?」

「今日はから揚げと卵のスープとか」

「ふーん…」


あと、将也はマンガを買って家に帰った。

由岐ちゃんも瞬くんも、疲れたのか同じ部屋で寝ていた。
涙の跡が、くっきり見えていた。
あたしはその涙を見ないフリをした。
由岐ちゃんも、瞬くんも、寝顔を見ると我が子のように思えた。
傷ついてるから、あたし達に近づかないのよね。

でも、…ご飯は絶対に一緒に食べるから。
それだけは外せない我が家の鉄則。


それではご飯の支度をしましょうか。




< 140 / 203 >

この作品をシェア

pagetop