゚+.*優し過ぎる君に幸せを.*゚+.




将也が食べ終わると、食器はそのまま放置して走って2階に上がって行った。
将也の行動に少しイラッとしながらもあたしは食器を洗った。
旦那はテレビのお笑いに笑っている。


しばらくして2階から笑い声が聞えた。

将也と瞬くんの笑い声。

将也の声は大きくてゲラゲラ笑っていた。



「何笑ってるんだアイツは…;;」

旦那が苦笑いをしながら上を見ていた。

「どうせ瞬くんにちょっかい出してるんじゃない?」

「だろうな…。」


笑ったのはそのときだけで、その後に瞬くんは笑わなかった。

由岐ちゃんは笑わなくて、将也は1人で笑っていて、我が子ながら痛い子だなぁ…なんて思った。




旦那がお風呂の準備をして、湯を溜めていた。



「?どうしたの?」

食器を洗っていたら由岐ちゃんが降りてきた。

「食器…手伝います…。」

「いいよ?すぐ終わるし…」

「…やらしてください…///」

「………。じゃぁ拭いてもらおっかな」

「はいっ」

初めて由岐ちゃんと並んだ。
由岐ちゃんは小柄で細くて小さくて、息子しかいないあたしには由岐ちゃんは癒しだ。
いい匂いに、小柄に、少食に、テケテケ歩く姿、
全部が癒しだった。
でも、最高の癒しがなかった。
由岐ちゃんは1回も笑わない。
あたしは笑ってほしいよ。


「おっ何してんの?」

旦那がお風呂から戻ってきた。

「由岐ちゃんが手伝ってくれるんだって」

「本当か!!将也だったらしないから嬉しいだろ」

「うん(笑)由岐ちゃんありがとね」

「はいっ」

由岐ちゃんが小さく笑った。
分からないほど小さかった笑みは、たぶんあたししか見ていない。




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