奪ってKiss




「先輩、いいんですか?」




少しびっくりしたように言う杉浦くん。




「うん。子供好きだし」




それからまた屈んで、




「私、真美。よろしくね」




と、言った。




2人の名前は、さゆちゃんと、しんくん、といって、兄弟ではないらしい。




「ぶらんこー!」




「ぼくもー!」




と、私たちを引っ張るさゆちゃんとしんくん。




私と杉浦くんは後ろで押す役に。




「杉浦くんって子供すきなんだ?」




どっちかっていうと、苦手そうに見えたのに。




「俺、大好きなんですよ。可愛いじゃないですか」




愛しそうに言う杉浦くん。




「そっか」




その温かい空気に、私の心も温かくなった気がした。




「きゃはは!つぎね、おままごとするー!」




「おにいちゃんとおねいちゃんもー!」




と、今度はお砂場へ。




おままごとっていう響き、懐かしいなぁ~…




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