奪ってKiss
「ベンチにでも…座りましょうか」
私はコクンと頷いて、杉浦くんの後ろを歩いてベンチに座った。
「「…………」」
会話がなく、子供たちの楽しそうな声がだけ響く。
「まだ…残ってるんですね」
「え…?」
いきなりの会話。
残ってるって何がだろう。
考えてることが、顔に出てたのか、
「…キスマーク」
杉浦くんが私の方を見て言った。
私は慌てて服を押さえた。
あれ…?
けど、服で隠れてるはずなんだけど…
「上から見たら普通に見えますよ」
杉浦くんの方が身長がずいぶん高いから必然的に目線も高くなる。